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      プレス リリース
      2024年7月1日

      コンチネンタルの電動モーター用ローターポジションセンサー: 電気自動車の高効率化とスムーズな運転を実現

      • 超高効率のモーター制御:高速ローターポジションセンサーは誘導技術を利用し、同期モーターのローターポジションを検出
      • 従来のレゾルバに勝る強み:モーターの高効率化及びセンサーの軽量化、小型化を実現。幅広いモーターに利用できるよう標準化

      テクノロジー企業のコンチネンタルは、革新的なセンサーを発表し、急成長する電気自動車市場向けのセンサーポートフォリオを拡充しています。この電動モーター用高速誘導型ローターポジションセンサー(eRPS)は、同期モーターのローターの正確な位置を検出し、高効率化とスムーズな運転をサポートします。また、既存のレゾルバより小型化し、40%の軽量化も達成しています。回転角度を測定する既存のセンサーは概して(回転角度を電気信号に変換する)レゾルバの原理を採用していますが、この原理は複雑で、同期モーターごとに適合させる必要があります。しかし、eRPSは、極対数にかかわらず、すべてのモーターに対応できるよう標準化されたコンポーネントです。この新センサーは仕様の異なる同期モーターでも供用が容易であり、電気自動車にとって魅力的な選択肢となるでしょう。生産開始は2025年末を予定しています。

      コンチネンタルのパッシブセーフティ&センソリックス事業部長のローラン・ファーブル(Laurent Fabre)は次のように述べています。「自動車の電動化が進むと、車に搭載される同期モーターの数も増えます。トラクションモーターのように大型の強力なものから、電動ポンプのように小型のものまで多岐にわたります。当社の標準化されたeRPS技術は、電気自動車の幅広い用途に対応します。測定精度が高く、さまざまな機能を集約した一体型の小型センサーは、車載コンポーネントの高度な統合を実現します。現在、コンチネンタルはエンジンポジションセンサーを供給するリーディング企業の一社です。eRPSの発表により、電動モーターポジションセンサーの主要サプライヤーを目指す上でも有利な立場にあると考えています。」

      コンパクトで精度の高いeRPSは、電動モビリティの理想的な選択肢

      eRPSは同期モーター(ローターが機械の回転磁界と同じ速度で回転する)を制御するために開発されました。モーター効率を最大限に高めるには、モーター制御ユニットでローターの正確な位置を知る必要があるため、この種のセンサーは同期モーターに不可欠なコンポーネントになります。レゾルバは比較的大型のセンサーですが、eRPSは非常に薄く、全長の短いコンパクトなモーター設計に対応できます。eRPSの設計は渦電流の原理に基づいており、機械公差に対するロバスト性を向上させるよう最適化されています。信号処理には、最先端の集積回路(IC)を使用しています。ICは、ISO 26262(車載用機能安全)規格に準拠し、ASIL Cを達成できるように設計されています。オプションとして、機能安全に不可欠な冗長性を確保するために、2つのICをeRPSに組み込むこともできます。

      電気自動車やハイブリッド自動車のトラクションモーターが主なターゲットですが、電気自動車には他にも多くの同期モーターが搭載されています。例えば、今後は(油圧レスの)ドライブレーキシステムも電気的に作動し、ローターセンサーが必要になります。eRPSを開発するにあたり、コンチネンタルは誘導技術に関する既存の知識と経験を活用しました。例えば、ブレーキ・バイ・ワイヤーシステムMKC 2は、誘導型モーターポジションセンサーを使用しており、eRPSと同様に、速度と精度を向上させたセンシング製品開発のベンチマークになっています。 

      誘導技術による高精度な位置検出

      新しいeRPSは、さまざまな搭載方法に対応した誘導型ローターポジションセンサーです。センサーはシャフトを通して取り付けることも、ローターシャフトの端に搭載することも可能です(この場合はシーリング機能を含む)。このモジュールは、ローターシャフト上の金属エンコーダの電気的角度を直接検出するために、1つまたは2つのICを埋め込んだ励磁コイルと受信コイルを組み込みます。このシンプルで軽量のセンサーから出力される信号の形式は、後処理がほとんど必要ありません。電気的角度のポジションデータは、電動機のトルクを効率的に制御し、モーターの寿命を最大限に延ばすために必要な情報です。

      「eRPSの信号パターンは、レゾルバの信号パターンよりもはるかに処理が容易です。演算処理は高速かつ正確なため高速運転や加速にも最適です。しかも、非常にコンパクトで最小限の部品で動作します」と述べるのは、コンチネンタルのパッシブセーフティ&センソリックス事業部でセンサー・サブシステム製品センターの責任者を務めるロナン・ルロイ(Ronan LeRoy)です。

      eRPSは最大消費電流15mAで、4極対モーターに対して±0.5°の電気精度を実現します。また、将来の電気自動車プラットフォームに求められる回転速度要件(最大24,000rpm)に対応できるように設計されています。センサーの動作温度範囲は-40°C~140°Cと非常に広く、ピーク温度は155°Cです。

      電気自動車の原動機およびバッテリー用センサーの包括的なポートフォリオ

      コンチネンタルはeRPSの投入により、電気自動車用センサーのポートフォリオを拡充し、交通安全と電動化を共にサポートします。2022年には、電気自動車におけるバッテリー保護や耐久性向上に焦点を当てた2つの新しいソリューション、電流センサーモジュールとバッテリーへの衝撃検知システムを提案しています。

      利用可能なドキュメント