日本のドライバーは高速道路での自動運転を期待
- 大多数は運転を楽しんでいる一方、交通量の増加はストレスに
- 先進ドライバー・アシスタンス・システム (ADAS) 市場には将来性が見られる
- ADAS技術の経験が、自動運転といアイデアの受容を後押し
- 価格への期待は高品質で、効率的、そして経済システムにつながる
日本のドライバーは自動運転というコンセプトを基本的に受け入れています。「コンティネンタル・モビリティ・スタディー2013」でインタビューした大多数 (63パーセント) が、車での長距離移動に適した技術とその利点を見ています。インタビュー参加者は次の状況、日常運転 (41パーセント)、街中運転 (35パーセント)、にはあまり自動運転との関係性を見ていないようでした。そのような技術を利用したい時はいつか、という問いに対しては、日本のドライバーは工事現場の通過 (65 パーセント)、ストップゴー時(63パーセント)、高速道路での長距離移動(60パーセント) が具体的にあがりました。
これらの傾向はインタビューの参加者から寄せられた日常の交通状況に非常にマッチしています。彼らにとって、日本における交通量の増加は、ストレスの増大(50パーセント)を意味しています。主な原因は、渋滞と次のような紛らわしい運転状況です: ストップゴー状況(68パーセント)、混雑した道路 (64パーセント)、駐車スペースを探す時(54パーセント)。しかしながら、日本のドライバーの多くは、運転が楽しく(57パーセント)、運転スキルに自信がある(53パーセント)としています。
「日本のドライバーのニーズは、この先数年の発展の可能性と完全に合致しています。自動車の部分的な自動化は、車内システムが高速道路でのストップゴー状況に対応できるようになるところから始まります。」 コンティネンタル・ジャパンのCEOであるクリストフ・ハゲドーンはこのように述べています。今回の調査によれば、渋滞などの日頃の運転時に感じるストレスから、日本のドライバーは運転するよりも運転されたいという結果が出ています。「部分的な自動化が実現すれば、ストレスを与えるような状況から、いくらかドライバーを解放できることでしょう。」 ハゲドーンは、人とクルマのテクノロジー展に合わせ開催したドライバー意識調査の発表にてこのように説明しました。
「日本のドライバーは負荷のかかる交通状況からの解放が必要で、そしてそれを望んでいると思います。」 ハゲドーンは言います。 「日本市場には、今の運転者支援システムを、幅広い車両クラスに広め、自動運転をスタートする潜在的なポテンシャルがあります。調査結果は、運転者支援システムの導入が世界的に成功し、消費者が得る直接的な恩恵が、自動運転の認知につながることを示しています。」
「コンティネンタル・モビリティ・スタディー2013」 は、国際的なオートモーティブサプライヤーであるコンティネンタルが、市場調査・社会調査会社であるinfas社とともに日本、アメリカ、ドイツ、中国において代表的な調査を行い、フランス、インド、ブラジルにおいて定性調査を行ったものです。加え、科学分野(運転心理、法律)、自動車業界の有識者へのインタビューも行いました。運転者支援システムと自動運転の受容に関する世界で最も総合的な調査の一つとなりました。
ドライバーの2人に1人が運転時に事故を経験
運転が楽しいとする結果(57パーセント) は、交通事故 ついての調査結果によりイメージが変わります。日本のドライバーの48パーセントが、何らかの交通事故に巻き込まれたことがあり、もっとも多かったのが追突事故(37パーセント) でした。多くの場合、先進運転者支援システムがあれば、それらの事故を回避できたか、その事故の程度を最小限にとどめる事が可能でした。一例として、緊急ブレーキアシストシステムはある状況下においてブレーキを自動的にかけるものです。
「緊急ブレーキアシストシステムは、軽自動車を含む小型車へも搭載がされており、自動車メーカーの積極的なプロモーション活動により、日本でも認知が進んでいます。近い将来、全ての自動車に搭載される日も期待できます。」 ハゲドーンは、調査結果について、このようにコメントしました。
自動運転: 先進運転者支援システムがその認知を後押し
全体として、日本のドライバーの84パーセントが安全性を指向する先進運転者支援システムが役立つとしています。緊急ブレーキアシスト(85パーセント)、歩行者検知システム(71パーセント)、横滑り防止装置ESC(60パーセント)について、これらの技術が認知されています。
調査結果は、先進運転者支援システムが受け入れられると、自動運転も受け入れられることを示しています。「先進運転者支援システムを経験すれば、人々の自動運転への見方に前向きな影響をもたらします。自分の車に搭載されている緊急ブレーキアシストシステムが信頼できるとわかれば、自動運転の実現可能性に異議を唱える人はいないでしょう。」 ハゲドーンは説明します。
自動運転という言葉は、もはや自動車業界のエンジニアだけの共通用語ではありません。日本のドライバーの29パーセントが自動運転について考えており、その61パーセントは合理的であるとしています。同時に調査結果は、自動運転関連技術にはある程度の疑念があることも示しています。日本のドライバーの42パーセントが自動運転の発展には不安があるとし、そのうちの43パーセントは、自動運転車が確実に機能するかどうか懐疑的であると答えています。
有用性への期待は警戒的、現実的な推定価格
本調査においては、異なる機能についての期待価格についてのコメントも集約されました。高速道路で交通渋滞時に自動運転機能を利用する場合、平均して34万円が追加費用として適正という結果が出ました。高速道路上での自動運転機能については32万6000円、駐車場での自動駐車機能については25万5000円という結果です。これは日本における自動車の平均車体価格の11~15パーセントにあたります。(出典: POLK2013)
日本のドライバーの48パーセントは、今後10年から15年の間に部分的に自動運転が可能な車両の実現を期待しています。部分的な自動運転車では、ドライバーは、常に周囲の交通状況に注意を払っておく必要があります。
「日本におけるドライバーの期待価格は、単に効率が良いだけでなく、品質と経済性を兼ね備えたシステムを市場に投入しなくてはならないという意味で、大きな挑戦です。先進運転者支援システムの産業化が継続していることで、このチャレンジを成功裏に乗り越える事ができるでしょう。また、日本のドライバーの皆さんは、皆さんが期待する以前に部分的な自動運転機能を利用できることになるでしょう。」 ハゲドーンは消費者の期待価格と有用性についてこのようにコメントしました。
移動時間を他の目的に利用する需要
2020年の高度自動運転が実現すれば、高速道路で自動運転モードを開始すると運転に使っていた時間を他の事に充てる事が可能となります。交通量の増加により増加するストレスを考えると、日本のドライバーの62パーセントがただ運転するだけでなく、時間の利用に何らかのオプションを持ちたいと答える事に、何の疑問もありません。
世界のドライバーは、このようにして生まれる新しい時間を、音楽やラジオを聞く(45パーセント)、同乗者と会話する(41パーセント)、電話をかける・受ける(34パーセント)、メールを読む・書く(21パーセント)、読書(20パーセント)、ネットサーフィンをする(18パーセント)事に充てたいと答えました。
モビリティスタディ2013特設サイト にて調査結果を詳しくご紹介しています(本文は英語)