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      Mobility Study 2015
      ニュース
      2015年5月22日

      日本のドライバーは自動車の個人所有を希望 その使用は合理的

      • 小型車、低価格帯の自動車が望まれている
      • モビリティに対する行動は合理的理由に左右
      • 交通量の増加が運転の楽しみを縮小
      • ドライバーは自動運転を受容

      日本のドライバーは、依然として自動車の個人所有を望んでいます。日本、中国、ドイツ、フランス、アメリカのドライバー数千人を対象に行ったドライバーの意識調査「コンチネンタル・モビリティ・スタディ2015」において導き出されました。日本における調査結果によると、ドライバーの約3分の2(60%)がいつでも希望する場所に向けて運転できること、特にマイカーでの運転を享受しています。

      しかしながら、年齢にかかわらず、日本のドライバーは自身が所有する自動車をすべての機会で使用しているわけではなく、むしろ、いつ、どのように自動車で移動するかを評価しています。「中期的にみて、自動車の個人利用に大きく目立つ減少傾向は出ないと考えます」と説明するのは、コンチネンタル・ジャパンのCEOであるクリストフ・ハゲドーン(Christoph Hagedorn)で、さらに次のように続けます。「しかしながら、特に日本においては、若年ドライバーも熟年ドライバーも自分の自動車を使用するにあたって非常に合理的であり、状況によって他の交通手段を選んでいる傾向が見られます。」

      依然として大半のドライバーが自動車を個人所有

      自動車の所有形態について、日本のドライバーの75%は個人所有することを望んでいますが、調査対象の他国と比較すると最も低い結果となりました。中国とアメリカは最も高く93%でした。調査対象者の年齢別結果を見てみると、30歳以下の日本のドライバーは全体平均以下の数値となっており、将来的に自動車の個人所有率が低下していくことが予想されます。

      依然として自動車に人気がある理由の1つは、いつ、どこでも、好きな時に運転できることがあげられます。しかし、年齢別にモビリティに対する欲求を比較すると大きな違いが表れていることがわかります。60歳以上のドライバーの77%に対し、26歳から30歳のドライバーでモビリティを高く評価しているのは55%という結果です。

      また、日本のドライバーはレンタカー(5%)、カーシェアリング(6%)の利用について、高いレベルで受け入れており、これは他の調査対象国のドライバーと比較し、2倍以上の結果となりました。

      交通量の増加が運転の楽しみを損なう

      日本における調査参加者のうち、運転が楽しいと答えたのはわずか43%で、年齢による差はほとんどありません(18~25歳 46%、60歳以上 43%)。半数以上のドライバーが、年間の走行距離は10,000km以下と答えています。運転の楽しみが損なわれている理由の1つは、ますます増加する交通量です。車両密度の増加は渋滞やストップ・ゴー状況を引き起こしますが、最も高い値となった中国(74%)に続き、日本のドライバーの69%はそれらの状況にストレスを感じていると答えています。

      その結果、日常生活において自分の所有する自動車を頻繁に使用すると回答したのは39%であり、世界のドライバーと比較すると最も低い値となりました。ここでも、年齢による差はほとんどありません。

      小型で経済的な自動車

      車種について、若年・熟年ドライバーの52%が小型車から中型車を希望しています(18~25歳 48%、60歳以上 54%)。予算と維持費を考慮しない場合に、希望する車種についても質問していますが、結果に差はなく、49%のドライバーが小型車と中型車を希望すると答えました。

      このような意見は、自動車は可能な限り低価格であるもの、と日本のドライバーの多数(18~25歳 66%、60歳以上 83%)が回答した事実によって後押しされています。自動車のイメージは二次的な役割でしかなく、他人も望む自動車を所有することに対して、調査対象のどの年齢グループをみても重要度はあまり高くありません。日本のドライバーは自動車が好きですが、ステータスシンボルというよりは交通手段として冷静で合理的にとらえているようです。

      電気自動車と自動運転に対する受容度の違い

      電気自動車の受容に関する調査では、中国を除き、日本を含めたほとんどの国で購入意向は低い傾向となっています。唯一の例外は中国で、現在、日系自動車メーカーが生産シェアの大半を占める電気自動車について、中国には電気自動車市場が早急に拡大する大きなポテンシャルがあることを裏付けています。一方、回答者の59%が電気自動車は先端技術と認識し、42%が従来型の自動車に置き換わる環境

      に配慮した技術であると回答しており、技術的には受け入れられていることを示しています。

      日本の若年ドライバー、熟年ドライバーともに自動運転を受け入れています。 ドライバーの59%が自動運転を利用する自分が想像できるとし、特に運転時にストレスを感じる交通状況でのサポートとして受容しています。しかし、車両のネットワーク化についての興味は低く、情報の送受信や処理にともなうデータ保護には犠牲がともなうと危惧しています。

      ハゲドーンは次のように述べます。「接続型サービスの導入において、データ保護は現在、そして今後も決定的判断基準であり続けるでしょう。2025年の自動運転は、この要求を考慮しなくてはなりません。道路状況を匿名化してモニタリングすることが技術ロードマップの実現に不可欠です。個々のナンバープレートを知る必要はなく、多くの場合、位置や時間、事象といった要素に関する匿名の情報で十分なのです。」

      モビリティスタディ2015特設サイトにて調査結果を詳しくご紹介しています(本文は英語)