KEY TECHNOLOGY コネクティビティ
青木英也
ボディ&セキュリティ
日本OEM 統括責任者
インテリア 日本担当
コンチネンタルは、事故のない安全で快適なモビリティの未来を実現するため、「自動運転」「電動化」「コネクティビティ」の3つのメガトレンドを掲げています。この3つのトレンドは部門を超えて包括的に連動しており、私たちインテリア部門は、ドライバーと車両、その他あらゆる機器がシームレスにつながる「包括的コネクティビティ」の実現を目指しています。
自動運転の重要な要素となる直感的なHMI
私たちインテリア部門は今、直感的なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の開発を進めています。感応的な操作性をユーザーにもたらすこの技術は、自動運転との連携のもと包括的コネクティビティを実現する重要な技術です。例えば、ダイナミックロードデータベースは複数台の車から取り込んだデータをバックエンドサーバーにアップし、3次元データを作成する技術です。ユーザーは走りながらそのデータアップデートを受信することで、従来のGPSでは捉えきれなかった道路情報を高い位置精度で受け取ることが可能になります。こうした精度の高い情報が、自動運転に欠かせない要素となるのです。
まるでスマートフォンのように、車はデジタルライフのひとつになる
包括的コネクティビティの実現に欠かせないもうひとつの技術が、テレマティクスソリューションです。車の中のソフトウエアは将来、まるでスマホをアップデートするかのように常に最新の状態に更新されることが予想され、ユーザーはIoT(モノのインターネット)ライフを車の中でも体験できるようになります。こうした技術革新によって今後の自動車業界は、従来の車両販売ではなく通信やアップデートが利益を生むような、ビジネス自体に大きな変化が起きるかもしれません。現在コンチネンタルでは、最新の4G通信の10倍の通信を可能にする5G技術を将来のコネクティッドカーに向けていかに活用できるか、国内の通信大手企業とともに開発を進めています。
進化とともに総合力が試される時代
包括的コネクティビティによって、5G通信、Wi-Fi、様々な電波技術など、EEA(エレクトロニックアーキテクチャ)はますます複雑化し、更に画面にふれた時に振動を加えクリック感を出すHMIのハプティック(触覚)フィードバックや、ARを活用してナビゲーションの矢印をさも路面に描かれているかのようにフロントガラスに表示するAR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)技術など、未来のテクノロジーが次々と車に搭載されていくのです。ハードとソフト、その総合力が試される時代の中で、コンチネンタルは各領域のエキスパート企業とのパートナーシップ体制の整備も含めて、包括的に技術開発に取り組んでいます。
つながることで直面する新たな脅威
あらゆる情報とつながる車の実現によってユーザーは画期的な利便性を得る反面、従来は想像もできなかった新しい脅威にさらされることになります。テレマティクス経由やWi-Fi経由、対外部のコミュニケーションが増えるにつれサイバー攻撃されるルートが増え、例えば100万台の車が同時にハッキングされブレーキが効かなくなるエラーを起こされるといったことも理論的には可能になってきます。これからのモビリティは、こうした脅威に対応できるセキュリティ体制を構築しなければなりません。だから今、自動車業界は高い能力を持つエンジニアを必要としているのです。
グローバル企業らしい自由な環境の中で
コンチネンタルでは、4つのコーポレートバリュー(価値観)である、Trust(信頼)、Passion To Win(勝利への情熱)、Freedom To Act(自律・自立)、そしてFor One Another(支え合い)をグローバルで共有しており、従業員の満足度調査では、その中でもFreedom To Act (自律・自立)を強く感じる企業であるとの結果が得られました。個人の裁量に任せることで成果をあげる、これはグローバル企業ならではの魅力だと思いますし、同時に会社もそういった人材を求めています。特にインテリア部門の人材に求められるスキルは、いかに商品ニーズを把握しお客様の要求と実現可能性を理解して適切な要求仕様書を開発チームに渡せるかです。こうした能力を有するエンジニアとともに、私たちはモビリティの新しい未来を創造していきます。